3月も半ばを過ぎた18日、そろそろ春がやってくるかな、という淡い期待を打ち砕くように、雪になった。しかもどんどん積もっていく。クンデ村は冬に逆戻りしてしまった。
今日は朝、起きてみると、雲は多かったが太陽は照っていた。それが午前9時前、パラパラと雪が舞い始めたと思ったら、屋根に音をたてながらどっと降ってきた。裏山の中腹にあるクンデゴンパ(寺院)は雪でかすんでいる。畑の残雪はほぼ消えかけていたのが、見る見るうちに真っ白になってしまった。
我が家のテントトイレはかろうじて立っているが、大丈夫だろうか、ちょっと不安。
雪はサラサラのパウダースノーで軽い。それもそのはず、ここは富士山よりも高いのだ。もしスキー場ができるくらい積もれば、絶好の雪質で人気が出るだろう。
朝、放牧に出ていたヤクたちも、雪が降り始めると続々と村に戻ってきた。寒いのか、あるいは雪で草が覆われて食ベられなくなったからか、自分たちで家に向かっていく。
家畜を見ていると、ホントおもしろい。なんかあると、ちゃんと自分の家がわかり、戻っていくから。
さっそく、子供たちはスキーを履いて外に出る。犬も喜んで畑の中を走り回っている。猫は…、そういえば昨年、よくうちに泊まりに来ていた子猫を見かけないな。まだ寒くて、どこかの家の中で閉じこもっているの違いない。
雪化粧したクンデ村。春の訪れはもうちょっと先かな…。