asian-sanpoとは
アジア各地を回って撮影してきた写真家・川口敏彦が、自らの経験を活かし提案するさまざまなテーマを紹介しています。そのテーマはあくまでも写真家・川口が関心をもった独善的なものですが、単にギャラリーで写真を飾るだけの写真家とは違って、写真をきっかけに行動することで世の中に何らかの影響を与えるというスタイルをとっています。
現在、川口が拠点を置いているところは西伊豆の過疎地。もともと新聞社のカメラマンとして東京をベースに30年間生活してきましたが、フリーランスになってからは「自分が住む所によって人生が変わる」ことを確信し、重要視しています。
西伊豆に拠点を置く前は、エベレストのふもとにある標高3850㍍の村で半年間暮らしていました。ここは世界遺産に登録されており、住んでいた家からはヒマラヤの氷河を抱いた山々が眼前にそびえたっていました。新型コロナのまん延で海外に出国できなくなった時、日本でどこに住むべきか、を真剣に考えました。新聞記者という仕事は日本国内だけでなく世界各地を訪れることができた素晴らしい仕事でしたが、今まで訪れた場所を思い出してみて、海越しの富士山が見える西伊豆にとりあえず拠点を置いてみようと決めました。意外と自分の部屋から海越しに富士山が見える場所というのはそれほどないんです。
もう東京に住む気はありません。確かに東京は政治、経済、文化の中心で、欲しい情報はすぐに手に入る便利な都会です。しかしその中でおぼれてしまって、自分自身を見失ってしまっている人は多いのではないでしょうか。それよりも、海越しの富士山を眺めつつ珈琲を飲みながら「何をしようかな…」と考えている方がよっぽど自分らしい生き方ができるんです。
そんなところから興味を持ったことをいくつかやっています。やり始めたきっかけは”偶然”です。人生何が起こるかわからない…ので、出会った”偶然”を楽しもうと思っています。このasian-sanpoで紹介しているいくつかの”偶然”ですが、自分なりにこだわっている共通のことがあります。それは「なんでもいいから世の中にちょっとは役に立っている」ことです。まだまだ紹介していることは少ないですが、これからももっと役に立っていることを増やしていけたらな…と海越しの富士山を見ながらコーヒーを飲んでいるところです(笑)