今日は隣のロッジの奥さんと長男が裏山に登るというので付いていくことにした。出発は6時。単なるピクニックでなんでこんなに朝早いんだろうと思っていたら、今日は夫婦にとって暦上いい日だそうで(奥さんは誕生日に近いいい日”、出稼ぎに出ているご主人にとっては何の日かよくわからなかった)、裏山の尾根の上にたなびいている旗のようなものを新たに飾りに行くのだそうだ。
裏山を登っている途中、対面にそびえたつ名峰カンテガの上から日が出てきてクンデ村も夜明けを迎えた。
村にだんだんと日が差していく光景はとっても美しい。
裏山といっても、そのてっぺんに着くまでに1時間半かかった。高度計で見ると、なんと4100mある。300mも登ってきた。
尾根上に到着すると、さっそく奥さんは途中で集めた葉っぱを燃やし始めた。尾根上には、日本の運動会などで飾られる万国旗のような旗のようなものがずらりと並んでいる。これは「ルンタン」というらしく、一枚一枚に仏さまや仏教に関する絵や文字が描かれている。
シェルパ族が住むこの地域ではよく見かけるのだが、この尾根のものは特に壮観だ。尾根の反対側は崖になって落ちていて、間違って足を滑らせたら真っ逆さまに落ちて行ってしまう、恐ろしーところだった。数日前に行ったターモの村がはるか下に見える。この恐ろしい尾根の上で、奥さんは風に押されながらもルンタンを張っていくのだった。
作業は30分ほどで終了。みんなでお茶を飲みながら休憩後、村に戻る奥さん方と離れ、僕は尾根上を移動していく。尾根をナムチェ方面に下っていくと、山の陰に隠れていたエベレストが見え始める。
写真の左がエベレスト。右がローツェ。世界最高峰と世界第4位が並ぶ。その上空には、ここからもかなり強い風が吹いているのが分かるほど、渦巻き状の雲が流れている。この素晴らしい眺めを見られることに、思わず合掌!