翌日、ナムチェバザールから標高差400mの急坂を登って、今回私がプチ移住しようとしているクンデ村に向かう。ヘリ待ちで予想以上に日数がかかってしまった。ナムチェはまだ雲が多く、真正面に見えるはずのコンデ山も頭しか見えない。
ナムチェバザールから上がる急坂の各所には、各方面への標識がしっかりと設置されている。昔はこんなものなかった。すっかり観光地化されている。もともと高山病の心配さえなければ、道はしっかりしているのでサンダルでも歩けるようなところだ。
急坂を登り切り、ゆっくりと下っていくと眼下に小さな村が見えてきた。これがこれから私がプチ移住しよとしているクンデ村。富士山の頂上とほぼ同じ標高3800mに位置するシェルパ族の村だ。峠から見えたクンデ村は雲に煙っていて寒そう。何となく前途多難な予感が(笑)。
今回借りることになるシャルパ族の空き家は、長いこと住んでいないのだが外観はきれい。実は2015年に起きたネパール大地震で、この村もかなり被害が出た。この家も外壁にひびが入リ修復したんだとか。
まずは鍵を受け取り家の中をチェック。電気がつかないんで、今日宿泊する隣のロッジの奥さんに相談すると、電気屋さんに電話をしてくれた。2時間ほどして、日本でいえば東京電力の方が来てくれて、外していた線を結び電気が使えるようになった。話を聞いて驚いたが、この電力会社の人は、歩いて丸一日かかるいくつかの村を一人で担当しているのだそうだ。
とりあえず今日はここまで。まだ空き家は掃除をしないと住める状態ではないので、隣にあるロッジに泊まる。夕食は「ツゥクパ」。驚いたことにキッコーマンしょうゆも出てきた。味は日本のそうめんにそっくりで、これがあれば生きて行けそうな感じ。