シェルパの子供の観察力はすごい!

最近、むかえの家の女の子が毎日のように我が家に遊びに来るようになった。まだ3歳なのだが、全く人見知りしないで、外国人だろうがシェルパだろうが人懐こくすぐ仲良くなる。この子のお父さんは外国に出稼ぎに行っているようなので、お母さんと母子家庭が半年ほど続いている。はじめはお父さん代わりに遊んでやろうと思っていたのだが、最近はこっちが遊んでもらっている感じだ。

家の中にはシェルパの子供が見たことないようなものがいっぱい転がっているので、それに興味津々。まずパソコンの使い方を見よう見まねで覚えてしまった。ほかにも手当たり次第に触っては自分なりに楽しんでいる。

実はこの子と仲良くなる前から、家が迎えなのでよく遊んでいるのを見かけていたが、とにかく大人のすることをよく観察しているようで、かなり賢い。ジャガイモの収穫の時は、手伝いに来ている人の横で一緒になってくわで土を掘り起こしている。お母さんが行くところには必ずちょこちょこくっついて歩いている。こうして母親がすることを観察しているのだろう。

先日、ジャガイモがまだ大量に残っており、パンを一斤買ったので、これでコロッケパンでも作ろうとしていたら、この子が家にやってきた。ジャガイモをゆでてつぶしていたら、スプーンを持ってきていっしょにつぶしてくれる。

油でコロッケを揚げている時は自分で危ないと判断したのか離れたところで見ていたが、しばらくして小さなイスを持ってきて、それを足台にして洗剤を取り出したと思ったら、汚れたタオルを洗い出した。水が入っているやかんも自分で探し出して、何も教えてないのにせっせと洗濯をしているのには驚いた。これも母親がいつもしていることを観察しているのだろう。

次の日、また我が家に遊びにやってくると、棚から自分でパンを2枚とケチャップを机の上に持ってきてサンドイッチを作り始めた。昨日のことをちゃんと覚えているようだ。パン以外にもラーメンや調味料がどこに置かれているかをちゃんとチェックしていて、自分で勝手に持ってくる。た

この子の観察力のすごさを見ながら、どうしても日本の子供たちと比較してしまう。そもそも日本では洗濯は洗濯機を使ってしまうのでスイッチ一つで済んでしまうし、水道は蛇口をひねれば出てくるので、わざわざ家の外に水くみに行く必要もない。生活が便利な分、生きることに力を注がなくてもいい。ここでは水場に水を汲みにいかないと生きていけない所なのだ。

きっとこの子の観察力はシェルパの子供たちみんなが持っているものだろう。富士山よりも高いこの厳しい環境で生きていくためには、このくらいの観察力を持っていないと生き抜いてはいけない。それは例えばアフリカの野生動物たちと同じように、本来動物が生まれながらに持っている本能のようなものなのだろう。日本のように安全で便利な生活をしていると、人間本来の生き抜いていく力がだんだん劣っていくように思える。

ところで昨日、ちょっと悲しいことがこの子に起こった。約半年ぶりに海外に出稼ぎに行っていたお父さんが夜、帰ってきて、朝方一緒に仲良く外で遊んでいたのだが、昼前にリュックを背負って外国人と一緒に出掛けてしまった。シェルパ族はシーズン中はガイドをして、シーズン外は出稼ぎに出かけるのだが、この子の父親は帰ってきたと思ったらすぐガイドの仕事が入ったみたいだ。別れ際、泣きながら見送っている姿はこちらもぐっとくるものがある。その後、午後に我が家に遊びに来たときは普段と変わらない姿に安心したのだが、きっと一年のうち、わずかしか父親と一緒に暮らせないことも、きっとこの子の生きる力のうちに入っているのだろう。

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