4月に入ったのにまた雪。3月初めから雪が積もっては消え、消えては積もるという天候が続いていて、一向に温かくならない。そんな中、クンデ村ではあちこちでジャガイモの植え付けが始まっている。この地域は寒い高所で、ジャガイモしか育たない土地柄。ジャガイモは昔から村人の主食である。今日も雪の中、みんなびしょぬれになりながら農作業をやっている。寒そう…。
ジャガイモの植え付け作業はなかなか大変そうで、村以外からの手伝いやアルバイトを雇ってやっている。なにも雪の中でやらなくてもと思うのだが、村の人もお互い助け合いながら交代でジャガイモの植え付け作業を行っているので、作業日程もあるのだろう。おばあさんも雪の中、鍬を振るっている。その横を雪が降り出したので家路につく馬が通り過ぎる。この日ばかりは家畜の方が楽そう。
農作業は3月中旬から始まっているが、今年は雪が降る日が多いようで、その合間を縫ってやっている。作業は2人1組で、一方が鍬で土を掘り起こし、もう一人がジャガイモを放り投げていく。鍬を持っているほうが大変そうだが、そこは途中で交代していく。そしてお昼ごはんやお茶休憩は畑の片隅でのんびり取る。
うちの向かいの家も農作業が始まった。いつも遊びにやってくる3歳の女の子も、この時ばかりは手伝い?をしなければならないようで忙しそう。しかし3歳児ながら、鍬を振り下ろす時にはちゃんと腰が入っていて、すでに一丁前だ。観察していると、大人に手ほどきを受けているわけではなく、すでに作業の手順を分かっているようだ。山になって置かれている肥料を畑に運ぶのも一人でちゃんとこなしている。主食のジャガイモを育てることは、ここでは生きるうえで最重要事項。3歳児でも、こうやって生きる術を身に着けていくのだろう。そういう僕自身はジャガイモを畑で植え付けたことはない。お金が無くなれば、飢え死にするしかない。情けないことに、すでに3歳児に負けている…。