標高4800mで地元アーティストと共同展覧会開催

今回、タンボチェでマニ・リンドゥを見た後、ゴーキョまで足を延ばした目的は、シェルパ族のアーティストと共同で展覧会をしようという企画があったから。彼は標高4800mの湖のほとりに今年3月、ロッジを新設したが、その中に「世界最高地のシェルパギャラリー」として自身の作品を飾るギャラリーを併設した。共通の友人が彼を私に紹介してくれて、今回、そこで私の写真と共同で展覧会をしようという話が進んだ。


ネパール ゴーキョ ロッジ


ネパール ゴーキョ ギャラリー

彼のロッジはゴーキョ湖のすぐほとりに立つ、赤色の屋根のロッジ。その中に写真のようなギャラリーを作った。こんな素晴らしいところにギャラリーを持てるなんていいな…。


ネパール ゴーキョ ギャラリー

彼の名前はパサン・チェリンさん。チベット仏教画を専門とする32歳のアーティストで、マンダラ画やタンカ画を描く。もともと私が現在住んでいるクンデ村の隣村クムジュン出身で、クムジュン高校の時にすでに絵画の才能が見いだされ、ヒラリー財団から奨学金をもらい、カトマンズの一般大学に通いながらチベット仏教画の学校にも7年間通ったという。


ネパール ゴーキョ ロッジ

彼の絵の才能もさることながら、ロッジ経営者としてもなかなかのもの。標高4800mの高地にできた施設はすばらしい。部屋や水道施設など資材はヘリでシャンボチェまで運んだあと、83人のポーターを雇ってここまで運び上げたという。ロッジを作るのにもこれだけの労力と資金が必要なのだ。シーズン中、ほとんど満室だという。


ネパール ゴーキョ ロッジ




ネパール ゴーキョ ロッジ 

しかもアーティストだけあって、ロッジ内のデザインもあか抜けている。部屋の名前も番号でなくて「cool」。はじめ部屋の鍵をもらった時に部屋番号がなかったのでどの部屋か迷ってしまった(笑)

たった4日間の共同展覧会だったが、標高4800mで自分の写真を飾れることもなかなかできない体験で楽しかった。

投稿者: asiansanpo

元読売新聞東京本社写真部。2016年3月、早期退職し、アウンサンスーチーの新政権が誕生したミャンマーに移り住み、1年半にわたり全土を回りながらミャンマーの「民主化元年」を撮影。2018年9月からは、エベレストのふもと、標高4000㍍の村で変わりゆくシェルパ族とともに9か月間生活した。日本では過疎地を拠点とし、衰退していく地方の実態を体験している。

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