お別れ料理

いよいよ山を下りる日が近づいてきて、お世話になったクンデ村の人たちに、何かお礼をと考えた。昨年、いったん山を下りた時はジャガイモが大量に残っていたので、日本のコロッケを作って配った。今回もジャガイモは残っているが、同じでは芸がないと思い、インドのサモサもいっしょに作ってみた。中の具は同じジャガイモなので、ゆでる手間が省ける。

まずサモサ。皮の生地となる小麦粉を練って、それにクミンシードを混ぜる。インドでは生地に使う粉もいろいろな種類があるが、ここでは「小麦粉」一種類。それが日本でいう薄力粉なのか、強力粉なのかもよくわからないが、ほかにないのでこれを使う。大量に作ると、こねるのにも一苦労。かなり力仕事になる。これを麺棒で薄くしていくのだが、簡単そうに見えて、これがなかなか難しい。

次に中の具作り。ゆでたポテトに各スパイスを混ぜて炒めていく。スパイスは昨年、ナムチェバザールでは手に入らなかったので、いろいろな種類をカトマンズから大量に持ってきたのだが、結局それほど使わなかったので、そのまま残していくことにした。

出来上がった中の具を、生地の中に詰めていく。形も大きさもばらばらなのはご愛敬…。

そして一番の難関なのが、油で揚げる温度と時間。昨年もコロッケを何度か作っては失敗したが、結論として、富士山よりも高い高度では、油の温度が地上ほど上がらないため、カラッとは揚がらない。できるだけベターとならないように、油の温度と時間を探っていく。まあ、どちらにしても配るときには冷めてしまうので、仕方ないか…。

料理作りは大量に作るため、日の出前から開始。やがてアマダブラムの裏から日が昇る。快晴だ。昼間、向かいの女の子が遊びに来る。机に並べられた料理に興味を持ったよう。生のサモサにかじりついたので、あわてて止めさせた(笑)。

さて、サモサの次はコロッケ作り。昨年、コロッケを作ったときは、日本のジャガイモと種類が違い、日本のような小判型の形にすると崩れてしまうことがわかっている。いろいろ試行錯誤した結果、ボール型が一番崩れないようなので、今回も丸くする。日本ではこれを卵に浸してパン粉を付けるが、この地方では鶏が寒くて育たないので、卵は下から運んでくる。だから新鮮な卵はまず手に入らないので、つなぎの卵は使わずに、小麦粉だけのバッター液を付けて揚げることにした。

サモサと同様、コロッケも揚げ方が一番難しい。昨年はパン粉を使ったが、今回はバッター液だけなので、表面は意外とサクサクに揚がった。

ジャガイモの他に豆が大量に余っている。これをどうやって食べようかと悩んだが、たい焼きにしてみようと考えた。まず豆を圧力鍋で煮て、それに砂糖を入れて煮詰めていくと、あんこのようにはならないが、まあまあ使えそうな具になる。これを入れてたい焼きを焼いていく。個人的にはまあまあうまくいったと思ったが、実際に各家に配って食べてもらったら、みんなあまりおいしそうな顔をしてくれない。激辛のグリーンチリソースをかけている人を見て気が付いた。シェルパの人は甘いものが嫌いなんだと…。道理で、最近増えてきたベーカリーでも、今までシェルパの人がケーキを食べているのを見たことがなかったことに納得。

なんだかんだと約半年間も過ごしたクンデ村。その間、親切に接していただいた村の人たちに「ありがとうございました」とお礼を述べます。

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