タウンジーのバルーンフェスティバルも終わってしまったので、そろそろ次の目的地に移動することにした。次は南に位置するカヤー州の州都ロイコー。ここは昨年まで陸路で外国人は入れなかったところ。ライダーとしてはそういう道をぜひとも走ってみたい。
午前8時にニャウンシュエを出発したが、ちょうど学校が始まる時間のようで、通りかかった学校の校庭では朝礼をやっていた。普段、ミャンマー人はダラダラしているように見えるが、日本の朝礼のようにきっちりと児童が列を作っているのが意外だった。まあ野良犬が横で寝そべっているのはミャンマーらしいが…。
いつしかインレー湖も通り過ぎたようで、道は川に沿って進む。天気も良く、なかなかのんびりしたいいツーリングとなった。
この辺は仏教寺院よりも教会が多い。ミャンマーは仏教国となっているが、それは最大民族のビルマ族が仏教徒ということで、少数民族では意外とクリスチャンが多い。これはイギリス植民地政府がビルマ族に対抗させるために少数民族を重用したということもあるが、宣教師が地方を熱心に回り、布教活動したことが一番大きい理由だと思われる。
ロイコー到着
午後2時半、ロイコーと書かれたサインがあり、無事到着。ロイコーの街は高い建物もなく、派手な商店街があるわけでなく、本当に素朴な街だ。
しかし空港にいたイミグレーションの係官につかまり尋問される。どうやら飛行機でやってきたと思われたみたいだ。確かにバイクでここまで走ってきた外国人はまだいないだろう。空港で尋問に耐えながらも、やっと2つのホテルのありかを聞き出す。この街は観光地ではないのでホテルの数も少ないらしい。
教えてもらったのはKanTharYar Hotelというホテル。街の中心からは外れていたので、ちょっと走っただけではわからない。値段を聞くと一泊35ドル。田舎のホテルにしては高く、きっと外国人だと思って吹っ掛けているんだなと値引き交渉をするも、全く下げる気配なし。空港で教えてもらったもう一つのホテルはここよりも高いらしいのだが、いやならそっちへ行けという。結局言い値で泊まることに。しかし案内された部屋は広くて明るくて、結構快適。まあ良しとするか!
もう午後4時を過ぎていたが、せっかくなので市内をちょっと走ってみる。街は小さいが、歩いて回れるというほどの大きさではない。市内の中心を流れている大きな川を渡ると市場があった。この前を、農作業が終わった女性たちを乗せたトラクターが走っている。街中にはホンダの新しい販売店もあり、ちょうど新車を荷下ろししていた。ただ日本車はまだミャンマー人にとっては高値なので売れないだろうな?
昼食を食べてなかったので(というか、途中で食べられるような食堂もなかったので)夕食を食べに、宿で聞いたおいしいという中華料理屋に行く。「ロイコーシティ」という平凡な名前だが、店内は宴会が十分できるほどの広さはある。
店員とは言葉が通じないので、メニューから無難そうな酢豚を注文。味も無難。だが支払いの段階でもめた。原因はメニューに書かれた値段よりもだいぶ高かったからだ。先ほどのホテルのように、きっと外国人だと思って値段を吹っ掛けていると思ったので、店員に文句を言ったが言葉が通じない。そこで店主を呼んで抗議したら、英語を少し話せる店主が説明するには、豚がなかったので代わりにエビを使ったので高くなったと当然のように言う。日本だったら、初めに客に伝えるのだろうが、ここミャンマーではそういう発想がないらしい。まあ、これからこういうことが各地で起こるのだろうなと覚悟した。