パアンの不思議な村

この日もパアンの郊外を走っていたところ、カレン族の民族衣装を着たおばさんを見かけた。せっかくだから写真を撮らせてもらったところ、「私の後に付いてきなさい」と言って自転車で走り出した。そこから不思議な村に入っていった。


ミャンマー パアン

今朝もタンルウィン川へ




不思議な村に行く前の話だが、昨日に続き、今朝もゲストハウスからタンルウィン川へ。同じ時間に対岸から僧侶たちの一団を乗せた小舟が付く。ここの早朝の風景は何回見ても飽きそうもない。

バイク修理


ミャンマー パアン バイク屋


ミャンマー パアン 犬

ところで昨日、バイクで走っていたところ、バイクのチェーンが外れてしまった。これで走れなくなったと思って、試しに手でチェーンを元に戻そうとしたら、なんと戻ってしまった。普通チェーンはきつくはまっているため、手でなんて戻らないのだが、なんてゆるいチェーンなんだろう。この後の走行が心配だ。

今朝は早速バイク屋に行って直してもらった。教えてもらったバイク屋はこんな小屋だったが、次から次へと修理に訪れる人がいたのでご主人は腕はいいのだろう。バイク屋の犬もタイヤがベッド代わり。

不思議な村へ


ミャンマー パアン カレン族

バイクを修理した後、郊外を走っていて見かけたカレン族のおばさんがこの方。お店からちょうど出てきたところで出くわした。肩にかごをかけ、きれいな民族衣装を着ていたので、一目でカレン族だと気が付いた。そこで思わずバイクを止めて写真を撮らせてもらった。

さて、このおばさんが先に自転車の乗り、バイクで後をくっついて林の中を走ること10分ほど。


ミャンマー パアン カレン族

林が突然途切れ、いきなりこの巨大な三角形の建物が現れた。昔テレビで見た番組で、インドネシアの秘境の村に巨大な建物を持つ民族がいたような気がしたが、まさにそんな感じで似ている。




建物の中に入ると、男性たち数人が竹を組んで建設中だった。なんでもこの村の公民館兼博物館を作っているらしい。中には「見ざる、聞かざる、言わざる」の彫刻も飾ってあった。日本でもよく見るが、これはいったいどこの国が発祥地なのかな?


ミャンマー パアン カレン族


ミャンマー パアン カレン族

この村の方々は皆さん親切。ちょうどお昼時だったので昼飯を一緒に食べましょうと誘われた。この建物の隣に食堂の建物があり、初めに会ったおばさんや女性たち数人が食事の用意をしていた。

食事を食べる前には、このように神様にお祈りをしてから食べ始める。それにしても変わった髪型をしている人たちだ。


ミャンマー パアン カレン族


食事はビルマ料理に近いようだが、それほど油っこくない。村人たちはみんなこの食堂に集まって食事をしている。


ミャンマー パアン カレン族


ミャンマー パアン カレン族

しかしここの人たちは男も女も子供もみんな表情がいい。素敵な笑顔をみんな浮かべている。説明では、ここにはカレン族のほかにミャウ、タウー族の3民族が一緒に生活しているという。キリシタンに改宗した人が多いカイン州の中で、この村は昔ながらのアニミズム(原始宗教、精霊信仰)を信じているという。食事の前のお祈りなども、アニミズムで先祖代々受け継がれてきたのだそうだ。


ミャンマー パアン カレン族


初めに案内された巨大な三角形の建物を中心に、周りに村人の家が並んで立っている。前に見た、スカート付きの家だが、中をのぞくと非常にシンプルな作りで飾り気がない。

帰り際、昼飯の食事代を払おうとしたところ、「ここの村を訪れた方々は皆さん友達です。私たちは世界の平和を願っています。また遊びに来てください」と言って決して受け取ってくれなかった。村人の表情を見ていると、みんな高い理想を持って幸せに生活していることがわかる。一種の桃源郷を実現しているのだろう。偶然でも、このような素晴らしい人々に出会えたことに感謝を込めて

合掌!


ミャンマー パアン カレン族


カンターヤー湖の夕暮れ


ミャンマー パアン カンターヤー湖


ミャンマー パアン カンターヤー湖


ミャンマー パアン 教会

こちらも幸せな気分になったような感じでパアンの街に戻り、市民の憩いの場、カンターヤー湖に行く。奥には奇岩の山々が入り、とても写真になる風景だ。

すぐ隣には建物が素敵な教会がある。12月でクリスマスのイルミネーションがすでに光っている。幸せな人々が暮らす美しい街。パアンを一挙に好きになってしまった。


ミャンマー パアン ハンバーガー
ちょっと残念なハンバーガー

日が沈み夕食。初日にケーキを食べた喫茶店風のレストランのメニューにハンバーガーがあったのを思い出し、ミャンマーの味はどうか試してみた。残念ながら、今まで食べたハンバーガーの中で最低、というか、どうしたらこんな味ができるのか不思議になるような味だった。本場のハンバーガーを食べたことがないのか、あるいはミャンマー人の好む味がこのような味なのか、とにかく不思議な味だった。

投稿者: asiansanpo

元読売新聞東京本社写真部。2016年3月、早期退職し、アウンサンスーチーの新政権が誕生したミャンマーに移り住み、1年半にわたり全土を回りながらミャンマーの「民主化元年」を撮影。2018年9月からは、エベレストのふもと、標高4000㍍の村で変わりゆくシェルパ族とともに9か月間生活した。日本では過疎地を拠点とし、衰退していく地方の実態を体験している。

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