昨日パアンの街に入ってきたときに気付いていたが、この街を囲む山々は今までのミャンマーの風景と違っていて奇岩が多い。ミャンマーの大河タンルウィン川とその奇岩が不思議な光景を作り出して、ミャンマーのほかの地域ではない、とっても魅力的なところだ。
早朝のタンルウィン川
朝6時、ゲストハウスを出て、歩いて5分もかからないタンルウィン川のほとりにたたずむ。ちょうどあたりが明るくなってきたころだが、すでに対岸と小舟が行き来している。しかしこの風景、美しい。
船に乗って到着する人はいろいろいる。僧侶たちの一団は、早朝の托鉢をしに渡ってきているのだろう。また市場に物を売りに来る人がいるようで、野菜を入れたかごを持った人も多い。
この船着き場のすぐ横に、川に突き出した寺院がある。Shweyinhmyaw パヤーというようだ。なぜかカエルの像があるが、これはカエルの伝説があるからだ。内容は…聞いたけど忘れた…。
境内では早朝から掃除をする女性がゆったりとほうきを動かしている。仏さまに当たる朝の柔らかい日がいい感じ。
この寺院の本尊はお顔まで黄金で、なかなか立派である。その前で子供の僧侶が蝶を一生懸命追っかけている。まだまだ修行が足りませんな!
絶景の中の朝食
ゲストハウスに戻って朝食。屋上に上がれというので行ってみると、これがなかなか見晴らしがいい。朝食はパンにバナナと簡単ながら、この風景を眺めながらの朝食は、ちょっとしたリゾート気分。
ヅウェカビン山
午前8時半、パアン探訪に出かける。まずはこの街からよく見え有名なヅウェカビン山に向かう。市の中心部から15キロほど。途中、仏さまを製作中。
ヅウェカビン山のふもとにはルンピニガーデンといって、1121体の仏像が並んでいる。ここを通り過ぎると突き当りがヅウェカビン山の登山口となっている。しかし山頂まで2時間と聞いて退散。
仕方なくルンピニガーデンを散歩する。よく見ると整備されている仏さまと、あまり整備されていない仏さまがある。しかし雑草の中にいる仏さまを見ていると、昔仏陀が修行した光景はこんな感じだったのではないかと思えるのだった。
ミャンマーを走っていると、藁を山のように積み上げている家をところどころで見かける。これはただ置いているだけかと思っていたのだが、通りかかった家で牛がそれを食べているのを見かけた。これは牛が勝手に食べられるエサだったんだと気付いた。
サッダー洞窟寺院
奇岩が多いこの地域には洞窟も多いらしく、ゲストハウスに洞窟巡りのコースが張り出されていた。ミャンマーでは洞窟にも寺院となっているところも多く、その中で面白そうなここに来てみた。地図で見ると近そうだったが、田んぼの中の道を15キロも走ったところにあった。
そんな大した洞窟ではないだろうとあまり期待しないで来たのだが、入り口を入ってびっくり。中はかなり大きく、仏塔もできている。岩肌には何を張っているのかよくわからないが、仏塔が描かれている。
洞窟の中では、おばあさんが熱心にお祈りをしている。ここは単なる洞窟ではなく、やはり信仰の場なのだった。あばら骨が浮き出た像は、生前仏陀が修行をしていた姿をかたどったもの。ただちょっと照明が怖すぎる。
ところでこの洞窟、行けども行けども奥が続いている。こんなに奥に入って大丈夫かな、と思うくらいだが、周りのミャンマー人も歩いているので付いていく。この歩いた分をまた戻るのかと思っていたが、外の明かりが見えてきた終着地は湖が目の前に広がっていた。帰りはここから小舟で入り口まで戻るようだ。しかも小舟でも洞窟の中をくぐっていく。これはなかなか面白いコースだ。
KawaKaThwing洞窟寺院
意外と洞窟が面白いものだとわかり、ちょうどパアンの街に帰る途中にも洞窟があるようなので、もう一つ行ってみることにした。ただ訪れた洞窟寺院は前と違って奥につながっているような洞窟ではなく、手前だけで行き止まり。ちょっとがっかり。
しかしこの洞窟、中はあまり面白くなかったが、周りに面白いものがあった。洞窟に続いている道沿いには、ずらりと並ぶ僧侶の列がかなり長い。お顔が汚れているのが少し気がかりだが…。その道をさらに奥に行くと、きれいな清水が湧き出ているプールがあった。ミャンマー人たちはそこで泳いでいるが、触ったらすごく冷たいので中に入るのはやめた。池のほとりに人魚像がちょっと怖い(笑)。
この地域の家がちょっと面白い。なんかスカートをはいているように見えるのだ。普通の高床式の家の下の部分に、広葉樹の大きな葉っぱを葺いている。他の地域では見かけない家だった。
こちらは学校。壁もなく、授業をしている様子が見れるのだが、なぜか微笑ましい。きっと貧しくて、満足な校舎が建てられないのだろうが、こんな簡素な校舎でも児童たちは一生懸命勉強しているのがいい。
午後1時を過ぎ、いったんパアンの街に戻ってきた。お腹がすいたが、郊外では食べられそうな食堂が見当たらなかったからだ。パアンの街の中心はこの時計塔。イギリス植民地時代に各地に建てられた文化だが、街によって形がかなり違う。
サン・マ・トゥ食堂
パアンで一番おいしいビルマ料理といわれるのがこの食堂。カレーを一品頼むと、写真のように10種類以上の小皿が付いてくる。いろいろミャンマーの味が楽しめて満足!
奇岩の上に立つチャウッカラッ・パヤー
昼食後、向かったのが郊外にあるこの寺院。実は今朝方、一番で訪れる予定だったのだが、入り口が分からず通り過ぎてしまったようだった。再び来てみると、ミャンマー語で大きく入り口が書かれていたみたいだ。しかしこの名前はなかなか発音できない。
この寺院は見ての通り、今にも折れそうな奇岩の上に立っている。ミャンマーでは洞窟や奇岩に寺院を作るのが好きなのかも。
この寺院は周りを池に囲まれていて、寺院には橋を渡って入る。中には小さな僧院があり、僧侶たちが暮らしている。夕日を待っている間、池の周りをぶらぶらしていたら、2人の僧侶が小舟を出し対岸まで行き、薪を運んでいた。
そして夕日が寺院を赤く染め始める。それにしても自然の造形は人間の想像を超えている。こんな光景、なかなか思いつかない。自然の偉大さに感謝を込めて