船でインレー湖観光

2日にわたってインレー湖周辺をツーリングしたが、インレー湖は湖畔を回る道というのがないことが判明。周りの道を走っているだけでは湖は全く見えない。湖畔の道を作ればいいと思うのだが、実は東南アジアは雨季と乾季で湖の水位がかなり違う。道を作っても雨季は水没し、乾季は水際から遠くなってしまうなど、日本の湖のようにはいかないのだろう。そこで今日は船に乗ってインレー湖を観光することにした。


ミャンマー ニャウンシュエ

インレー湖

午前7時半、ニャウンシュエのボート乗り場から出発。水路をインレー湖目指して進む。水路ではひっきりなしに小船が行きかっている。

10分ほどで広々としたインレー湖に出る。


ミャンマー インレー湖のインター族

やがて船のスピードが落ち、近くにいた小船に寄っていくと、その船の上の人は大きなかごを片足にのせポーズを取り始めた。不思議に思っていると、これは片足で櫓を漕ぐインター族の漁師で、観光客に写真を撮らせて小遣いが稼ぎをしているということだった。その話を聞いて一挙に興味が覚めてしまった。


ミャンマー インレー湖

実はインレー湖には3年ほど前に遊びに来ている。しかしニャウンシュエの街もホテルが多くなっていたが、湖にも立派な大型のホテルが増えている。開放政策の効果絶大。


ミャンマー インレー湖

北端のニャウンシュエからインレー湖南端までスピードボートで45分。ここで小さな村に寄る。ニャウンシュエの知り合いのいとこがここに住んでいて、今日は私の案内をしてくれるという。自宅に上がると大きな絵が数枚飾られていたが、この方、この辺では有名な絵描きさんだそうだ。


ミャンマー インレー湖 古文書

絵描きさんはこの地域の歴史にもすごく詳しいらしく、古文書の収集家でもあった。見せてもらったが、もちろん字も読めないし、どのくらい古いのかもさっぱり見当がつかない。だが古文書というにはちょっと新しそうという印象だ。


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー

ファウンドーウーパヤー

絵描きさんの村からすぐ近くにあるファウンドーウーパヤーに船で向かう。ここはこの地域で絶大な信仰を集める仏教寺院。お寺の入り口の前の水路は、大勢の参拝客が乗った小船で混雑している。


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー

小船の乗っているおばあちゃんが私に手を振ってくれる。おそらく田舎から出てきて、普段目にすることがない外国人が珍しいのだろう。時々すれ違う船からもよく手を振られたが、まだまだこの辺は素朴さが残っている。


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー

船から上がり、寺院に入っていく。本堂の中央では5つの小さな岩みたいなものに一生懸命拝みながら金箔を張りつけている。どうやらこれがご本尊のようだ。このエリアは女人禁制で男性しか入れない。


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー

ところでこの小岩だが、近くにあった写真を見て驚いた。元は5体の仏像で、人々が金箔を張ったために小岩のような姿になってしまったのだとか。


ミャンマー インレー湖 ファウンドーウーパヤー

寺院のわきには黄金色の鳥の形をした大きな船が格納されている。これは毎年9月ごろに行われるファウンドーウー祭りで、5体の仏様を乗せて近隣を回るための船だそうだ。お祭りの時の写真が寺院に飾られていたが、かなり壮大なお祭りのようだ。


ミャンマー インレー湖 インデイン

インデイン

ファウンドーウーパヤーを見終わり、ここから細い水路を進みインデインというところに向かう。

途中、寺院の裏手に差し掛かると、若い坊さんたちが髪の毛を剃髪していた。


ミャンマー インレー湖 インデイン


ミャンマー インレー湖 インデイン


ミャンマー インレー湖 インデイン

インデインは17世紀から18世紀にかけて建てられた1054もの仏塔があると言われている。古い寺院として最近観光客も来るようになったらしいが、見るとそのほとんどが野ざらしのまま荒廃しているといった感じだ。この象の置物も元は立派なものだったのだろうが、もう崩壊寸前。古い寺院と野ざらしの寺院ではちょっと意味が違うだろう。早く修復してほしい!


ミャンマー インレー湖 インデイン


ミャンマー インレー湖 インデイン

この寺院は離れているせいか、ファウンドーウーパヤーのように混雑はしていない。仏様の前ではパオ族が静かにお祈りをしている。


ファウンドーウーパヤー

帰りがけに道でパオ族がせんべいみたいのを売っている。火であぶった砂のような中にせんべいを入れて焼いているが、食べてみると意外と素朴な味でおいしかった。


ミャンマー インレー湖 首長族

インデインからインレー湖に戻る。途中、船は土産物に寄っていくが、これは観光地ではよくあること。

ある土産物屋で首長族がいた。昔タイのメーホーソンで見たことがあるが、そこでも土産物屋の前で観光客を集めるための見世物としてだった。インレー湖まで連れてこなくてもいいと思うのだが…。


ミャンマー インレー湖 


ミャンマー インレー湖の家

インレー湖では水上生活者の様子がよくわかる。家も完全に水の上で、小舟はなくてはならない。


ミャンマー インレー湖のレストラン


ミャンマー インレー湖のレストラン

お昼になったので水上レストランに入る。昔より洒落たレストランがすごく増えたが、裏を返せば、お店間で激しい観光客の奪い合いをしているのだろう。

ホースクラブ


昼食後、絵描きさんの村に寄ってお別れの挨拶をしてニャウンシュエに戻る。絵描きさんのガイドを紹介してくれたニャウンシュエの知人の家が近くで馬場を建設中ということで訪れてみた。ニャウンシュエから20分ほど離れた山の中腹にあり、インレー湖が見えるいい場所だ


ミャンマー ニャウンシュのインレー ホースクラブ

名前を「インレー ホースクラブ」という。奥さんが馬好きなので、ミャンマーではまだ数少ないホースクラブをここに作ってみようとなったそうだ。

ちょうどタウンジーから友達が来ていて一緒になった。そのうちの女の子がすごくスタイルがよくてビックリ。普段ミャンマー人はロンジーという足首まで隠れる腰巻の民族衣装を着ているので、あまりスタイルのことは気にしていなかったが、最近の若い子はこんなに足が長いんだと見とれてしまった。

ニャウンシュエ 満月の夜


ミャンマー ニャウンシュエのダザウンダイン

夜になってニャウンシュエの街の中では人々が灯明を灯し始める。今晩はダザウンダインという満月の日。

ミャンマー仏教行事は月を基準にする太陰暦で決まっている。10月から11月にかけての満月のころは、そろそろ雨季が明けるころと重なり、ダザウンダインを祝うお祭りが全土で行われる。タウンジーのバルーンフェスティバルも「ダザウンダイン祭り」とも言われている。


ミャンマー ニャウンシュエのダザウンダイン

ニャウンシュエで最も古いとされるヤダナマンアウン・パヤーに行ってみた。参拝者は自分の生まれた曜日の神様の灯明を捧げて熱心にお祈りをしている。とても美しい光景だ。


ミャンマー ニャウンシュエのダザウンダイン

しかも2016年は68年ぶりに月が大きいスーパームーンの年だとか。確かにいつもよりも月が大きく輝いている。

寺院の壁面は参拝者が供えた灯明で輝いている。こんな美しく厳かな光景に出会えるなんて。思わず感謝を込めて

     合掌!

投稿者: asiansanpo

元読売新聞東京本社写真部。2016年3月、早期退職し、アウンサンスーチーの新政権が誕生したミャンマーに移り住み、1年半にわたり全土を回りながらミャンマーの「民主化元年」を撮影。2018年9月からは、エベレストのふもと、標高4000㍍の村で変わりゆくシェルパ族とともに9か月間生活した。日本では過疎地を拠点とし、衰退していく地方の実態を体験している。

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