大統領到着

ミャンマーツーリング。いよいよナガ族の正月を迎え、会場には参加する部族が集合。ティンチョー大統領を出迎えるために待機をするが、到着時間がはっきりせず、結局2時間以上も外で待たされる。大統領が山岳少数民族の正月行事に出席することはナガ族にとって名誉なことだろうが、大統領のスケジュールに振り回されることになった。

ナガ族の着付け

正月当日の朝を迎えた。まだ空には満月が残っている。昨夜も寒くてよく眠れなかった。ナガ族だけではないだろうが、山岳民族は大変なところで生活していることを実感する。

朝、ナガフェスティバル開始のテープカットが広場で行われ、各部族が集まるという。そこでナガ族の着付けを見たいと思い、あるナガ族の一団を訪れた。その部族は、2日前に初めて見た、踊りのリハーサルをやっていた部族だった。集合している民家には装飾品が並べられている。腰に付ける板には不思議な文様が刻まれている。

やがて焚火に当たって暖をとっていた若者たちが準備をし始めた。まず初めに、腰に付ける装飾を付けるようだ。宝貝が付いた前垂れもこの腰ベルトに取り付ける。後ろには腰かごも付ける。

その後、背中に斧を入れ、兜のような帽子?を頭にかぶる。昨日も感じたが、Tシャツにサッカーパンツ姿はがっかりするが、その点を除けばなかなか精悍な姿になる。

現代の生活では、実際にこの格好になるのは正月しかないようで、普段はTシャツ短パンで農作業をしているという。昔のように裸のままの姿はさすがに恥ずかしいらしい。

みんなの準備が終わり、表通りに勢ぞろい。今日は手に盾を持っている。まるで軍隊の兵士のようだが、ちょっと前までは本当にこの姿で「いざ、出陣じゃ」と言って首狩りに出て行ったのだろう。

テープカット

ナガ族の着付けを見終わって会場に降りていくと、すでに多くの人がテープカットを見に集まっている。正月行事は毎年開催場所が変わっていくということで、この小さな村がこれほどにぎわうのは、数年に一度なのだろう。

午前9時、ゲート前ではナガフェスティバルの開始を告げるテープカットが行われた。同宿の女性歌手も招待客として前列に参列していた。

テープカットでお祭りが始まり、いよいよナガ族の踊りが見られるかと思いきや、人々は会場から帰ってしまい、また静けさが戻ってしまった。仕方なく宿に戻り、代わり映えのしない炒飯の朝食をとる。

宿の食堂には、先入りしている大統領付きの特殊警護隊も食事をとっていた。ところが大統領が到着するという急な連絡が入り、大あわてで食堂を出て行った。この国は大統領のスケジュールもはっきりしないのだろうか?

大統領のお出迎え

午前11時半、大統領を出迎えるために、ナガ族の各部族が続々と会場に集まってきた。昨日、見なかった部族もいっぱいいた。それぞれ違った衣装で登場。それにしても同じような地域に住んでいながら、文化はだいぶ異なっていることに驚く。

大統領のヘリコプターは会場の上にあるヘリポートに着くということで、あわててその沿道にも出迎えを送る。

ところが大統領のヘリコプターは待てども姿は見えず。待ちくたびれて、ナガ族の皆さんは座り込んだりしながら休みだした。会場で勢ぞろいしている時は緊張しているのか笑顔が見られなかったが、ここでやっと自然な表情を見ることができた。

午後2時、やっと山間からエンジンの音がしてきて2機のヘリが降り立った。始めに招集されてから2時間半待たされたことになる。やはりミャンマータイムだが、待たされる方は大変だ。

大統領が降り立つと、沿道にズラリと並んだナガ族は、それぞれの踊りや音楽をやりだした。ヘリから車に乗り変えた大統領夫妻は窓を開けて手を振りながら通り過ぎたが、それも一瞬の出来事。歓迎はすぐに終わってしまった。

ティンチョー大統領

到着したティンチョー大統領夫妻は直接会場には行かず、山腹にあるゲストハウスにまず入って休憩。その間にヘリポートに来ていたナガ族は会場まで降りていく。

30分ほどして、会場横の建物でティンチョー大統領夫妻を迎えて式典が始まる。大統領夫妻はナガ族の人々に手を振って応える。

会場での式典は午後4時ごろ終了。大統領は車に乗って村内の視察に出かける。この後、会場でナガ族の踊りが披露されると思っていたのだが、だれに聞いてもはっきりわからないという。仕方ないから、近くの食堂で豚カレーの夕食を食べる。

食事をしていると、通りが騒がしい。何かと思って見ると、一頭の大きな牛が突かれながら歩いている。実はこの牛が私たちがラヘーで何回か食べているマイタンなのだそうだ。

結局、今日はナガ族の踊りは披露されることなく暗くなってしまった。大統領の到着が思っていたよりも遅かったので、踊りをする時間が無くなってしまったのだと思う。本来ならナガ族が新しい新年を迎えるための日なのだが、大統領に振り回された形になってしまった。

代わりに午後6時半から広場のステージでコンサートが始まった。同じ宿に泊まっていた、ヤンゴンから招待された女性歌手の出番がやっと回ってきた。正直言って、こんな山の奥まで来るのだから大した歌手ではないだろうと思っていたのだが、声は力強く、ステージ上で激しく踊りながら歌っている。観客は熱狂状態で、ものすごく盛り上がっているところをみると、なかなかの歌手なのであろう。こんな歌手と隣同士の部屋で過ごせて光栄だ。

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