ミャンマーツーリング。西暦の新年を仏教聖地のチャイティーヨーで迎えた。しかも風が吹く山の上の外で。めちゃくちゃ寒い。しかしゴールデンロックにお祈りをする人は途切れない。ミャンマーの信仰のパワーのすごさを感じた。予想通り、新年という雰囲気は全くなかったが…。
寒い夜
西暦の新年を迎えたが、特段変わったことはなかった。ただ寒くてしょうがなく、歩き回っていたのだが、だんだん眠くなってきた。しかし境内はすでに参拝者が場所を確保していて、寝る場所もなさそう。仕方なしに隅っこの方に寝ていた家族に頼んで、その隣に割り込ませてもらった。しかし床にじかに寝ている人たちは寒くないのだろうか。
ミャンマーの地方では、竹や木で家が作られている。だから壁といっても隙間だらけ。外気と室内の温度は同じなので、毎日この寒さに慣れているのだろう。ただ日本でもつい最近まで障子の家だったので、あまり変わらないといえば変わらないのだろう…、などと考えても、とても寒くて寝られない。仕方なく、また歩き出す。さすがに夜も更けて、毛布にくるまり寝ている方が多くなってきたが、それでもお祈りをまだ続けている方もけっこういる。
午前1時ごろ、ちょっと離れているところから何か音楽が流れていたので行ってみると、カレン族の民族衣装を着た集団とすれ違った。どうやら踊りを披露していたみたいだ。そこでは大きな鍋で天ぷらとおかゆが作られて、参拝者の誰にでもふるまわれていた。もちろんみんなに交じっていただいた。
チャイティーヨーには仏さまだけでなく、ピーの神様もいる。そこにもお参りをする人が多く、夜になっても並んでいる。ピーの神様の前に金色の大きな丸い石が置かれていて、そこに頭をつけて拝んでいる。
夜明けのチャイティーヨー
午前6時過ぎ、やっと空が明るくなってきた。寒くて長い夜がやっと終わった。せっかく新年の夜明けにいるので、西洋的に初日の出を撮影しようと思い、日の出とゴールデンロックがひっかかる場所探しをしてみた。しかし、太陽の出る位置はかなり離れていて、うまい場所がないようだ。
昨日、僧侶たちがお祈りをしていたゴールデンロックを真正面に見える展望台のようなところに、おだんごのようなお供え物がいっぱい置かれている。
しかしよく見ていくと、お供え物は盛られている品物が違う。どうも供えられる場所によって品物が違うような気がする。
なぜか丸いお盆と四角のお盆がある。この違いは?
境内の一番広いところでは、きれいに盛り付けされたお供え物が並べられている。先ほど見たお供え物とはまた品物が違っているが、こちらは数も多い。みんな同じなので、お供え物の作り方があるのだろう。
午前7時、托鉢する僧侶たちが現れた。また参拝者にふるまう朝食の炊き出しも行われている。
チャイティーヨーからの帰り道
ところで帰り道が大変なことになっていた。狭い参道に下からやってくる人と、これから帰ろうとする人の列がぶつかって、全然前に進まない。もし誰かが倒れたら、けが人が多数出てもおかしくない状況だ。ここでも思ってしまうが、今まで同じような状況が続いていたはずで、う回路でも作っておけばいいものを…。
かなり時間がかかったが、やっと下から到着する乗り合いバスの乗り場まで戻ってきた。が、ここでも大変なことになっていた。下からは続々と人が到着するが、帰ろうとする人も多い。その人たちが空になったトラックに我先にとよじ登ってしまい、乗り場に着く前に満席になってしまう。これでは老人たちはとてもではないが乗れない。
午前9時、下のキンプンまで何とか戻る。そこからはすぐにバイクに乗ってパアンに一直線。というのも今日のうちにチェックアウトしてモーラミャインまで戻らなくてはならないからだ。正午前、パアンのホテルに到着したが、スタッフが親切で午後1時までチェックアウトを延ばしてもらった。
パアンで昼食後、モーラミャインに向かう。途中、新しく出来上がった仏さまを乗せた車の列に出くわした。新年から幸先いい。すれ違いざまに感謝を込めて