ミャンマーツーリング。ナガ族の正月行事が行われるラヘーでの2日目。正月行事は14,15日の2日間ということで、会場では準備が進められている。ザガイン管区首相が夕方、ラヘーに到着し、それを迎えるためにナガ族が正装で登場した。その奇抜なかっこうに驚く。
朝食
朝8時半、宿の食堂で朝食を食べる。山の中なので朝食のメニューの選択肢はなく、ミャンマーの炒飯のみ。唯一追加できるのが卵。ミャンマーでは卵を追加すると豪華になるらしい。
昨夜はとにかく寒かった。標高が高い山中の村なので、おそらく気温は10度を下回っているだろう。おまけに宿の窓は扉がないため開いたまま。これでは外気温とほとんど同じだ。早速窓に板を打ち付けて塞いでしまった。
ナガ族の博物館作り
2年前に正月行事が行われたカムティでも見たが、この会場でも小さな博物館作りが急ピッチで進んでいた。ここの長いボートの前は牛の顔になっている。
会場ではナガ族のデザインを施したネクタイなどの商品も売られている。まるでご当地物産展のようだ。
昨日も見かけたが、ナガ族のデザインを現代風にアレンジした服を着ている。基本的には赤と黒が基調の色のようだ。さまざまなデザインがあるようで、見ていると面白い。
村の古老が博物館にいたが、その顔にはうっすらと入れ墨をした跡がある。また身に着けている装飾に、人の顔の物があるが、これは人狩り族の名残なのだろう。
ラヘーの街中
ラヘーの村を見ると、会場の広場が唯一の平地で、周りは急坂の山の斜面となっている。そこに民家がへばりつくように立っている。もちろん、全部の家が農家だろう。
村の中を歩いていると、白バイがあった。車体はアメリカンタイプで大きいが、エンジンを見ると排気量はおそらく150㏄だろう。中国製のバイクのようだが、この山奥に持ってくるまでが大変だったろう。
会場の周りには、野菜や肉などが売られている小さな市場のような一角がある。そこで何かの干し肉があったが、この肉は昨夜の夕食で食べた、この地域特有の牛肉だそうだ。名前を「マイタン」といい、ナガ族のビーフジャーキーといったところだ。
時間は午後1時。お腹がすいてきたので、会場のゲート正面にあった食堂で、揚げパンの昼食をとった。ミャンマーの揚げパンは普通、棒状なのだが、これは丸形で少し違う。
正装ナガ族登場
昼食後、運動所に戻ると、ナガ族のグループが集まって踊りをやっていた。体にいろいろな装飾を付けているので、今回の正月にラヘーにやってきたナガ族だろう。
腰には布みたいなものを付けていたが、よく見ると宝貝がびっしりと取り付けられている。この山中で海の貝が使われていることに驚く。
このグループの踊りを見ているナガ族の幹部らしい人たちの格好もすごい。しかしいろいろな服を見ると、デザインは結構自由のようだ。
実は夕方、ナガ族の正月行事に出席するために、ザガイン管区首相がラヘーに到着するため、このグループは、その出迎えのために踊りを練習しているのだとか。どうりでみんな立派な格好をしていると思った。
近くには、女性のグループも集まっていた。女性の服は男性グループよりもおとなしいデザインだが、ポシェットなどにも付いていてかわいらしい。
ナガ族の踊りを見に、周りに村人が集まってきた。貧しい国では子供の数は多いが、子供を背負う母親もみんな若い。日本の昔の写真を見ると、この光景に似ているので、日本もこんな感じだったのだろう。
ザガイン管区首相到着
ラヘーには、荷台にいっぱい人を乗せてやってきたトラックが次々と到着している。これは正月を祝いにラヘーにやってきたナガ族の人々だという。いったいどれだけの人が集まるのだろうか。
午後3時半、ラヘーへの入り口にはずらりとお出迎えのナガ族が並ぶ。先ほど踊りを練習していたグループが中心となり、手をつなぎながら独特の踊りを続けている。
そして午後4時過ぎ、先導の白バイの後から四輪ピックアップトラックが到着。その中からザガイン管区首相が降りてきて、出迎えのナガ族とあいさつを交わしながら握手をしていく。
お出迎えが終わった後に広場に戻ると、チンロンを楽しんでいる。その前を薪をいっぱい詰め込んだかごを背負った女子たちが歩いて行く。薪は燃料であり、暖房にも毎日使われるものだが、薪集めはなかなかの重労働だ。
午後5時を過ぎると、山間の村も陰になっていく。それとともに気温は急激に下がっていき、寒くなってくる。今晩も寒くて眠れないのか、ちょっと心配。
宿まで戻ってきて、食堂で夕食。昨日に続きマイタンの干し肉があるということで、今日もいただく。それに魚の揚げ物も注文したが、ミャンマーカレーのように油っこくなくおいしかった。