ミャンマーツーリング。年末年始だが、仏教国のミャンマーにいると西暦の新年を祝うという雰囲気が全くない。大晦日をどこで過ごそうかと考えていたが、どこに行ってもいつもと変わりそうもないので、一層のことミャンマー人の巡礼地であるチャイティーヨーに行くことにした。仏教の聖地で西洋の新年を過ごすのもいいかも。
チャイティーヨーへの拠点キンプン
午前8時前、パアンを出発。山の上にあるチャイティーヨーのふもとの街、キンプンまでは110キロ。午前11時ごろの到着。チャイティーヨーへは車やバイクでは上がれず、ここで乗り合いトラックにすべての人が乗り換えなければならない。最近はケーブルカーができたらしいが、上には駐車場がないので仕方がない。
キンプンには駐車場がいっぱいある。バイクも傘付きという極上のスペースをいただいた。
チャイティーヨーへの乗り合いトラックはこんな感じ。荷台に横長の座席が並べられていてそこに座るのだが、とにかく狭い。とにかく人を詰め込んで、一人でも多く料金を稼ごうとしているに違いない。ただ参拝客もとても多いので、このトラックに乗るのが一苦労。昔からの巡礼地なんだから、もう少し何とかならなかったのか?
出発してからは、一方通行の狭い道をトラックが列を作って上がっていく。カーブがきつく曲がるのに苦労するところも。またまた言うが、なぜこれまで道を広げてこなかったのか…。途中、寄付を募るところもあり、そこでトラックが止まると、乗客はお金を寄進している。
約1時間でチャイティーヨーに到着。上にもトラックに乗るためのターミナルができている。
驚いたことにここには駕籠屋があった。まるで江戸時代みたいだ。到着した人たちはなぜか荷物をいっぱい持っているが、しょいこで運んでくれるポーターもいる。
少し歩いていくと、大きなゲートが現れた。広場には結構人がいる。正式にはここからがチャイティーヨーなのだろう。まだ正午前だが、これからさらに人が多くなっていくことを考えると、この周りで昼食をとったほうがいいと思い、沿道に並ぶ食堂で炒飯を食べる。
参道を歩いていると、男の人に突然止められ、建物の中に引き込まれた。ここで外国人に6千チャット(約600円)を払わせるためにチェックしているようだ。参道にはいくつかのホテルがあったので、ためしに空き具合を聞いてみたが、やはりどこも満室だった。
ゲートから歩いていくと、中はすごい人出になっている。年末年始と言っても西暦を祝わないミャンマーだからすいているかと思ったが、考えてみると会社などは休みでもあるのだから、混んでいるのは当たり前か。
沿道にはミニチャイティーヨーがところどころある。おかしかったのは、仏教聖地にもかかわらず、サンタクロースがいたこと。なんでここでサンタクロースなんだ?
先を見ると、やっと遠くに見えてきました、ゴールデンロック。大きな岩が落ちそうで落ちないという微妙なバランスを保ち存在している。これがミャンマー人たちの大きな信仰を集めているのであるが、確かになぜ落ちないのか不思議だ。しかし金色の岩は風景として見ても結構きれいだ。
ゴールデンロックでは多くの参拝者がお祈りをしていた。岩に直接触れることができるのは男性のみ。入り口には金属探知機が設置されており、警備は結構厳重。一方、女性たちは離れた場所でお祈りをしている。小乗仏教では女人禁制の掟がかなりあり、西洋的な感覚からいえば男尊女卑の世界だ。
ところで近くで見れば見るほど不思議な岩だ。岩のふもとでは多くの男性が金箔をはっているが、ここでみんなが押してしまったら岩は落ちるのではないだろうかと思ってしまう。
やがて日が傾いてきた。岩の下にも参道があるが、参拝者が供えた線香の煙がもうもうと上がっている。
遠くには1か月以上前に越えてきたシッタウン川が赤く染まっている。日が落ちてからもゴールデンロックへ参拝する人の列は途切れない。
境内ではもう足の踏み場もないくらいに人々が場所を確保している。そこで用意してき夕食を輪になって食べている。こんなに人がいるのでうっかりしていたが、下に降りる乗り合いトラックは夕方で終わりだった。ということはこの人たちはこの床の上で一晩を過ごすのであろうか?そういえば毛布を持っている人が多かったが、それは夜寝るためのものだったんだ。気が付くのが遅かった…。
チャイティーヨーは標高1100メートルあるという。ミャンマーではこの時期、標高が低いところでも朝晩はかなり冷え込んで、ダウンが欲しいくらい寒くなる。ましてやこの山の上、しかも風が結構あって、じっとしてられないくらい寒い。仕方がないので、境内を歩き回る。
夜、ライトアップされているゴールデンロックの前で夜が更けてもお祈りをしている人が途切れない。ミャンマー人の信仰心はすごい。そのパワーを改めて見せつけられた。こちらも思わず