象のお仕事見学

今日はアジア象のお仕事拝見。近くの山中で象たちが木材の運搬をやっているという。ところでアジア象はタイやラオスなどにもいるが、最近では象の保護のために使役を禁止する国がほとんどとなった。象は過酷な労働から解放されたが、逆に仕事がなくなったため観光に使われている。象使いたちはその日の生活にも困っているようだ。ミャンマーのように、今でも象が木材を運搬しているような姿を見られるのは、非常に珍しいことなのだ。

美しい早朝


ミャンマー 朝もや

日の出前に目が覚めてしまったので、寝床の小学校の教室から静かに出て、あたりを散歩する。昨日は高台からジャングルの雲海を見たが、今朝もジャングルの中にうっすらと霧が漂っている。


ミャンマー 朝もや

やがて日が昇り始め、あたりがだんだん赤く染まってきた。霧がジャングルを包み込んでいるため、幻想的な光景となる。その中を一人の村人が歩いて行く。想像もしなかった風景に、早起きしたかいがあった。感謝を込めて

合掌!

象たちのシャワー


ミャンマー 象キャンプ

朝食後の午前8時、村の小学校を出発。わき道に入り、山の中の道をてくてく歩くこと約20分。尾根の日当たりがいいちょっとした広場に、象たちが数頭つながれていた。ここが象使いと象たちが暮らす山の中のキャンプだという。中には小さな子象もいた。


ミャンマー 象キャンプ

我々の到着を待っていてくれたのか、すぐに象使いが象に乗って、キャンプ地から下の川に降りていく。川に着くと象はお行儀よくお座りをして、象使いが竹筒で水をかけていく。冷たいシャワーが気持ちよさそうだ。


ミャンマー 象キャンプ

体全体のシャワーをかけた後、今度は象牙に水をかけ始めた。象牙と肉の間には隙間があり、そこも丹念に水をかけて汚れを落としていく。象の水浴びは象自身が鼻で体に水をかけて終わるのかと思っていたが、このような細かいところは人がやってやらないときれいにならないのだろう。

象たちの使役


ミャンマー 象キャンプ

象のシャワーが終わり、いったんキャンプに戻る。水浴びした象はお休みタイムのようで、象使いは違う象たちに乗り、別の道を山の中に入っていく。その後をついていくが、ほとんど道なき道だ。下まで行くと、小さな小川があり、そこを象3頭が切り出された木材を後ろに付けて行き来していた。この小川は象と巨大な木材が通れる幅しかないため、藪の中を上に上がり、象たちの仕事ぶりを見る。


ミャンマー 象キャンプ

運んでいる木材は直径1メートルほどもある巨木で、見た目にもかなり重そう。そもそもこれほどの巨木は、恐らくほかのアジアの国ではすでに伐採禁止とされているだろう。ミャンマーはまだまだ手付かずの大自然が残されている。


ミャンマー 象キャンプ

象は怪力だ。木材を軽々と鼻で持ち上げている。このような山奥では、さすがに重機も入れないだろうから、昔から象が使われてきた理由がよくわかる。まあ過酷な象の使役は動物虐待などの批判があることは知っていますが…。

タウングーに戻る


ミャンマー タウングー 牛

午前中に象のお仕事を見学した後、昼食を食べタウングーに戻った。

フランス人夫妻はタウングーの郊外を見に行くというので、一緒に付いて行った。農家の庭先では、牛さんたちが夕食を食べていた。


ミャンマー タウングー 牛

こちらは農作業から帰ってきたおじいさん。上半身裸だが、お歳の割には筋肉隆々のようで、畑仕事で鍛えられている。さすがはミャンマーの農夫だ。


ミャンマー タウングー タバコ

まったりと民家の軒先で家族が休んでいる。何か作業をしているので見させてもらったら、ミャンマーの巻きタバコを作っていた。自宅で内職といった感じ。


ミャンマー タウングー タバコ

刻んだタバコの葉を何かの葉っぱで巻いていく。フィルターや紙などの工業製品は一切使わずに、自然の物だけで作られるタバコ。これがもともとのタバコの原型なのだろう。

投稿者: asiansanpo

元読売新聞東京本社写真部。2016年3月、早期退職し、アウンサンスーチーの新政権が誕生したミャンマーに移り住み、1年半にわたり全土を回りながらミャンマーの「民主化元年」を撮影。2018年9月からは、エベレストのふもと、標高4000㍍の村で変わりゆくシェルパ族とともに9か月間生活した。日本では過疎地を拠点とし、衰退していく地方の実態を体験している。

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