昨晩、いくら走ってもなかなか街にたどり着かなかったため、この街はどうなっているのだろうと、今日は首都をぐるりと走ることにした。そして一日の走行距離が180キロ。どれだけ大きんだ、この街は…。
片側10車線の道路
まずホテルの近くにある国会議事堂の前を通る。となんと、片側10車線、両方で20車線の巨大道路が出現。しかもこれだけ道幅があるのに、走っている車が少なすぎる。一説には有事の際にここが臨時滑走路となるとまことしやかに言われている。しかしこの場に立った感想としては、それは違う。平らに見えるこの道路も結構起伏があり、もしここに飛行機が下りた場合、バウンドしてしまうのではないかと思われる。ただ軍事政権の威厳を示したかっただけだろう。
ここは首都なので、各官庁が集まっている。しかしその官庁間が2~3キロ離れていて、飛び飛びになっている。しかも官庁の建物は2階建ての小ささだ。日本だと霞が関に集中的に配置し、歩いて隣の官庁に行ける。だいぶ考え方が違うようだ。
ネーピードーには公衆電話があった。その公衆電話に花を飾っている。こういうところがミャンマー人の奥ゆかしさだろう。ミャンマーの国家に関する感覚は日本とだいぶ違っているようだが、公衆電話にもこのように花飾りをするような奥ゆかしさは、日本人と相通ずるものがありそうだ。
ウッパタサンティパヤー
国会議事堂とは反対側の方に、ウッパタサンティパヤーという大きな寺院が見える。ヤンゴンにあるシュエダゴンパヤーをまねて作られていて、仏塔の高さは99メートルあるという。ただ参拝客が少なくて、熱気にかけるところは大いに違っている。そもそもミャンマーの仏塔は中に入ることはできないので、中に入れるこの仏塔の作りにはちょっと違和感があるのだが…。
巨大すぎる軍事博物館
ネーピードーの中心部から25キロほど離れたところに軍事博物館がある。広大すぎる敷地に巨大な建物がいくつも立っていて、ここが軍事政権下で威信をかけて作られたところだと一目で理解できる。特にこのモニュメント。威信以外の何物でもない。
入り口を入るとすぐにミャンマー空軍の各種飛行機やヘリが展示されている。戦闘機まである。そして建物の中ですぐに出迎えてくれるのは建国の父アウンサン将軍やタンシュエ元国家元首の肖像画。
ミャンマー人でさえ入館者がほとんどいないので、係の人にすぐにつかまってしまい、専属の案内人として親切に英語で説明してくれる。しかし外国人がミャンマー軍について興味あるわけではなく、また博物館があまりに広く飽きてしまい、早々に退散した。
ところで、この巨大な首都機能支える官僚たちはどこにいるのか?走っていると、北側エリアの方には庭付きの高級住宅地があり、ここが高級官僚たちの住まいなのだろう。そして南側エリアには、下級官僚たちの住むアパート群がある。上下関係は住宅にも歴然と現れている。
ネーピードー駅
軍事博物館から市中心部に戻る途中にネーピードー駅があった。ここもなかなか立派な建物だが、広すぎる。手前にぽつんと蒸気機関車が展示されているが、これは恐らくイギリスが植民地時代に敷設した鉄道で走っていた車両で、大変貴重なものだろう。
ミョーママーケット
今まで走ってきたが、どこに行っても人が少ないのが気になった。そこで庶民の台所の市場に行ってみた。そこはちょっと小綺麗だが、庶民が集まり、屋台も出ている。やっとこのネーピードーでミャンマーらしいところを見つけ、ちょっとほっとした。