カレン州探訪

朝食の魅力につられ、タウングー滞在を続けている。今朝は日の出前に外に出て、ホテルの裏側をのぞくと、朝早くから農耕作業をしている農家の人がいた。


ミャンマー タウングー朝

幻想的な日の出の光景

ホテルの裏側はちょっとした庭になっていて、バレーボールのコートなどもある。その横に小さな池があるが、そこには蓮が水面に浮かんでいる。蓮の花は朝に開花するが、まだ日の出前なのにもう咲きだしている。


ミャンマー タウングー朝

熱帯のミャンマーでも、11月から2月までは朝晩、結構冷える。が、作業をしている牛たちの吐く息が白く見えるまで寒くなるとは思わなかった。ちょうど上がってきた太陽の斜光線に包まれ、幻想的な光景となった。朝早く起きたかいがあったことに感謝を込めて

合掌!


ミャンマー タウングー朝

朝食後の散歩

例の楽しい朝食後、ホテルの周りをまた散歩してみた。手にバッグをもって歩いてきた集団は、農作業に向かう家族だろう。バッグの中にはお弁当などの品々が入っている。先頭を歩いてきたおばさんは、肩にショールを巻いてなかなかかっこいい。


ミャンマー タウングー 托鉢

遠くから鐘の音が聞こえてきた。その音を待っていると、托鉢の僧侶たちの列が近づいてくる。先頭は托鉢が来たことを知らせる鐘だったようだ。すでに通りには、ご飯を山盛りによそった器をもって近所の方々が待っている。典型的なミャンマーの朝の風景。


ミャンマー タウングー 

托鉢を見送った後、さらに散歩をしていると、後ろから顔にタナカを塗りたくったおばさんが杖を持って歩いてきた。頭には鍋を入れたかごをのせているので、屋台を出しに向かっているのだろう。

しかしこの顔に塗られたタナカは強烈だ。普通、頬っぺたに薄く塗るのだが、顔全体に厚く塗っている人は初めて見た。すれ違いざま、不敵な笑いを浮かべていた。

カイン州に入る


近所の散歩も終わり、やることがなくなった。タウングーの街は見どころも少ないので、地図を見ながら考えていると、タウングーの東はすぐにカイン州になっていることに気づいた。カイン州は南北に長い州だが、長年ミャンマー国軍と戦闘状態にあり、外国人が入れる地域は限られている。ちょっと興味を持った。


ミャンマー カイン州

宿の若旦那に聞くと、山の上に見晴らしがいいタンダウングーという村があるので行ってみなと言う。そこで向かってみた。道はすぐに山の中に入っていく。途中、ビリヤードをしている若者たちに会った。現在は農閑期なのだろうか、ほとんどが農民というミャンマーでは、会社勤めなどは一般的ではない。みんな暇そうにしている。


ミャンマー カイン州 教会

道はだんだん細くなっていく。ミャンマーは最大民族のビルマ族が仏教徒なので仏教国というイメージが強いが、カイン州など多民族の州ではキリスト教徒が意外と多い。この道沿いも走っていると小さな教会があちらこちらに立っている。この山の上にある教会は比較的大きそうな教会だ。ここまで急坂を上がっていくのがしんどそう。上から子供が勢いよく走って降りてきた。


山の中のある民家。出窓みたいなところに十字架のガラスがはめ込まれている。中から見ると、この出窓の部分にキリスト像が安置されているのだろう。


この家の前で、ちょうど畑仕事から戻ってきた姉妹にあった。見かけは男の子のようだが、れっきとした女の子。それにしても顔がそっくりで、もしかすると双子なのかもしれない。撮影させてもらう時も、お互い腕を組んで仲がいい。


ミャンマー カイン州 

ところで、山の中をすでに40キロ走ってきたが、タンダウングーはない。この姉妹に聞くと、言葉は通じないが、来た道を指さしている。どうやら間違えたようだ。そういえば途中で左に入る道があったなと思い、来た道を戻る。


ミャンマー カイン州 

途中の分岐点を曲がり、さらに入っていく。道は舗装道路ではなくなり、すごい悪路になってきた。8キロほど走ったところでお店があった。さすがにこの悪路でかなり疲れ、ここで休むことにした。


ミャンマー カイン州 

すでに午後1時45分。お腹がすいたので、このお店にあった菓子パンとジュースをいただいた。お店では子供たちも遊んでいる。ここのご主人にタンダウンジーはどこかと聞くと、もっと下を指さしながら、全然違うというようなしぐさをする。すごく気の毒がっているのが分かった。完全にどこかで道を間違ったようだ。


ミャンマー カイン州 

しかしタウンジーから40キロも走ってきて道を間違ったとわかったら、どっと疲れが出てきた。近くにいた子犬たちにも同情されているみたいだ(笑)。しばらく休んで戻ることに。ご主人たちはものすごく気の毒がり、、パンとジュースのお代を払おうとすると受け取らない。困っている人がいると助けるといううところがミャンマーの人たちのいいところだ。この後も私はミャンマーの方々に方々で助けを受けながら旅を続けることになる。


ミャンマー カイン州 

戻る途中、道端の小さな祠に小さな人形みたいなものがあったが、これはミャンマーの各地で見るピーの神様のようだ。興味深いのは、地元カレン族の民族衣装を着ている。ピーの神様にもご当地版があるんだとわかった。


ミャンマー カイン州 

藁を荷台にいっぱいに積んだ牛車とすれ違う。奥は地元の教会の建物だが、素朴な村の風景だ。


ミャンマー カイン州 


ミャンマー カイン州 

ここで下校途中の児童たちが通り過ぎる。上級生が笑顔を見せながら下級生を送っていく。日本でもよく下校姿を見かけるが、みんなかしこまって列を崩さずに歩いているように思える。比べて見るとミャンマーの方が天真爛漫のようだ。


ミャンマー タウングー 夕食


ミャンマー タウングー 夕食

結局、帰り道にタンダウンジーに行く分岐点を見つけた。その道はタウングーの街からすぐのところで、おおもとの分岐点で道を誤ったとわかった。私が間違った道は、そのまま行くとカヤー州のロイコーに通じている道だった。ロイコーでこの道を向かおうとしたところ、地元の人に、山賊が出るからやめなさいと言われた道だ。途中で引き返してよかった。

午後4時過ぎ、タウングーに戻ってきた。もうこのまま夕食を食べてホテルに戻ろうと思い、食堂を探すが、あまりいいところはなさそう。疲れていたので、昨日と同じところに入った。今日は「チャーザンジョー」というヤキソバ。タウングーは朝食が充実しているが、夕食はいまいちですな。

投稿者: asiansanpo

元読売新聞東京本社写真部。2016年3月、早期退職し、アウンサンスーチーの新政権が誕生したミャンマーに移り住み、1年半にわたり全土を回りながらミャンマーの「民主化元年」を撮影。2018年9月からは、エベレストのふもと、標高4000㍍の村で変わりゆくシェルパ族とともに9か月間生活した。日本では過疎地を拠点とし、衰退していく地方の実態を体験している。

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