ミャンマーツーリング。2日前に練習に少し入ったチン州を本格的に縦走する。今日の目的地は州都ハカ。地図を見る限りでは一本道で簡単そうだが、練習でも見た通り標高はかなり高いところを走り、道もかなり悪い。どうなることやら。
チン州の山道
午前7時半、カレイミョーを出発。2日前に通った同じ道を走り街を抜けると、すぐに山道に入る。少し走ると眺望がいいところに出た。眼下に広がる街はまだ霧に包まれている。しかし寒い。
どんどん標高を上げ走る。おそらく道は2000メートルぐらいを走っていると思うのだが…。道はところどころがけ崩れをしているほど悪路。
カレイミョーから33キロ走ったところでいきなり通行止め。前方ではシャベルカーが道を広げるために崖を削っているが、これではいつ通れるようになるのか?しかし地元の人はゆったりのんびりと待っている。
1時間ほど待って通行止めが解除。一斉に待っていたミニバスや車が走り出した。バイクで車の列の後ろからついていくが、道が舗装されてないので土埃がひどい。車の列の前に出たいのだが、道は細くてカーブが多いためなかなか抜けない。もう全身真白。
山の急斜面には畑が作られている。そこから採った野菜を頭にいっぱい乗せて村人が歩いている。すごく重労働だ。
深い山の中を走っていくが、時には高原のような山もある。
途中通過した小さな村には、小さな教会があった。民家は地味で色はないが、この教会だけは青色で目立っている。
村では子供たちがトウモロコシをついている。村人たちは陽気で、見知らぬ外国人を迎えてくれる。
道はどんどん険しくなっていく。山間の村もすごいところにへばりつくように家々が立っている。
しかし村の中に入っていくと、きれいな教会があったりして、こんな山奥にある村にしては結構立派だ。
午前1時半、またまた工事で通行止め。待っているミニバスでは、窓から顔を出してぐっすり寝ている方も。
通行止めが解除されしばらく進むと、反対側の山肌にジグザグに山道が山に刻まれている。眼下には川が流れているが、かなり下に見える。ここをいったん下って、またあの山肌を上るのか、すごい高低差!
途中の街ファラム
山が煙を出して燃えているところがあったが、これは焼き畑を作っているところ。最近アジアでは焼き畑を禁止する国もあるため、こうして実際に焼いているところを見られるのはミャンマーならでは。ただこの火がそのまま山火事になって燃え広がってしまうこともしばしばあるという。
午後1時、ハカまでの途中にあるファラムという街を通過。ちょうどカレイミョーから100キロだった。この街はいままで通過してきた村と比べても断然大きい。急な山肌にびっしりと家々が並んでいる。
驚いたことに、こんな山奥にマンションが立っていた。しかも新築。このほかにも意外と新しい家が立っている。ミャンマーの経済発展の波が、こんな山奥にも届いている。
街の中心にはちょっとした交差点があり、ここに地元の人が集まれる展望台のようなところがあった。街全体が山の斜面なので、平らな公園などはないのだろう。
ファラムの街から1時間ほど走っていたところ、突然、日本語が聞こえてきた。ビックリして止まったら、工事現場で日本人がミャンマー人を指導している。ここはJICAが崖のコンクリート吹付の技術指導をしているのだとか。こんな山奥でも日本人ががんばっている。
この工事現場の先で、きょう3回目の道路工事で通行止め。バイクに括りつけられた荷物から、鶏が顔を出して、工事の終わりを待っていた。
通過した村では馬がいたり、まきを用意したりと山の生活が垣間見れる。
チン州の州都ハカ到着
午後4時、遠くの山肌に細かい家並みが見えてきた。ここは先程のファラムよりも数倍大きい規模の街だ。チン州の州都ハカだ。カレイミョーから166キロ。
ハカの街中に入っていくと、ものすごく立派なゲストハウスがあった。何でこんな山奥にホテル並みの宿があるのか不思議。興味があったのでここに泊まろうかとも思ったが、よく見てみると、ここはチン州の客人を迎える州のゲストハウスらしい。
同じゲストハウスでも、今晩の宿は大違い。街の中心部に近いルング・ゲストハウスというところに決めた。近くにもっと大きくてよさそうな宿があったのだが、満室でこちらを紹介された。この街に外国人が泊まれる宿はいくつもないので選択肢はなかったが、部屋は結構古かった。
すでに夕方だったが、宿の周辺を見学しようと散歩に出かける。歩いて5分ぐらいのところに市場があった。中に入っていくと、まだ野菜が売られている。山奥だけあって、豊富だ。
この市場の前に、とても食堂だとは思えにような食堂があった。なぜわかったかというと、地元の若者たちが次々と入っていって、なぜかみんなで鍋を囲んでいたからだ。昼食も食べてなかったので、夕食をこの店の名物である豚鍋を食べてみる。決しておいしいというほどではないが、素朴な味だった。
実はハカでは送電線のトラブルで3日間ほど停電しているという。こんな山奥だから、停電していなかったとしても暗いのだろうが、日が沈んでしまうと真っ暗になってしまう。さて、今晩は宿に戻って寝るだけだ。