イギリス植民地だったインドで、1911年にデリーに移転するまで英領インド帝国の首都だったカルカッタ(現在のコルカタ)。17世紀からイギリスのアジア植民地経営や貿易を独占した東インド会社が開発した街で、大英帝国のアジア進出の拠点となった大都市だった。1858年に東インド会社が解散し、大英帝国総督が直接統治するようになると、総督の執事役として権勢を握り、貴族のような生活をしていたベンガル人が登場した。現在もその貴族の末裔が暮らすコルカタは、大英帝国が撤退した1世紀半前のまま、街全体が崩壊しているようだった。

カルカッタの中心部に、その名もクイーンズマンションという名前の建物がある。大英帝国の名残

このマンションは、現在でも巨大な建物で、当時の大英帝国の偉大さを象徴している。

通りを埋め尽くす人。インドでもベンガル地方は人口密集度が高い地域だ。

カルカッタ中心部の大通りに、大英帝国時代には主要な建物だったと思われるビルが残る。現在は整備もされず、そのまま崩壊に向かっている。



大英帝国時代に植民地経営を助け、貴族のような生活をしたのがBabusと呼ばれるベンガル人。

このBabusの末裔である家の応接間。壁には当時描かれた音楽家の肖像画が壁一面に飾られている。

Babusは総督の執事のような役割で、権力を握っていった。現在もその流れを受け継いで、貿易などを行っている。

応接間があるBabusの家。ヨーロッパ風の柱が施された玄関など、当時の権勢がうかがわれる。

大英帝国時代に建てられた家の室内。現在は、中流階級クラスの市民が住んでいる。

寝室に使われている部屋はかなり広いが、物が少なく使い余している感があった。

地元で人気のコーヒーハウス。整然と並べられたスマートな店内は全然インドらしくない。

中心部の大通りを夜、歩く女性たち。伝統を重んじるインドだが、中流階級のファッションはちょっとカジュアルっぽい。


未完成で乾燥中のヒンズー像が並ぶ。

街角にあるヒンズー教の神様。

インドの長い鉄道網は大英帝国が残した遺産。

貧富の差が激しいインド。大通りには路上生活者が生活する。

インドの公用車アンバサダーの上で昼寝。しかしこんなところで昼寝しなくても…。

貧しくても明るい地元の女性たち。

混雑するバスでは、こんなすごい乗り方も…。

ヒンズー教では神の乗り物とされる牛がゴミをあさる中、リキシャーが行き来する。

道に捨てられたゴミを狙い、人、牛、カラスがあさる。

タージマハルをモデルにして建てられたという記念堂は、大理石をふんだんに使っている。

外の喧騒がウソのように静かな記念堂。数少ない、崩壊していない大英帝国の遺産。
