アジア各地を走っていると、いろんな乗り物に出会う。そんな面白くて驚くような乗り物図鑑。
ミャンマー編
「アジア最後のフロンティア」と注目されるミャンマーだが、交通インフラはアジアの中でも最低。そのような環境の中、人々は知恵と工夫を凝らして移動している。

牛は農耕だけでなく車の役割を果たしてきた。この農村部の光景は各地で見られ、おそらく古来から変わっていないのではないか。

地方ではまだまだ橋が少ない。対岸に車を運ぶのに、小舟を利用したいかだのようなフェリーで危険を冒して運ばなければならない。

バイクのサイドカーにありったけの荷物を積んで運んでいる姿は、まるで夜逃げならぬ昼逃げのようなおかしさがある。

中国国境からマンダレーに向かう道を中国製の新車バイクをバイクが運んでいた。こうやって運ぶのかと目が点になってしまった。

壊れやすい壺も竹でクッションを利かせた荷台を作って運ぶ。日本でも蕎麦屋の出前で使えるかな?

中国製の日よけ用パラソルが付いた電動バイク。

象は昔から木材の運搬などに働いてきた。現代のトラック替わり。

トラック替わりの象もトラックの荷台で運ばれる。

荷台に集団で乗って農作業に行き来するのはどこでも同じ。

荷台からはみ出しているがお構いなし。ミャンマーでは詰めるだけ積んで走るのが基本。

物不足のミャンマーでは、故障したら部品を自分で作って乗り継ぐのが基本。年代不詳の車がいっぱい。


日本でも半世紀前に走っていたボンネット型トラックはミャンマーではまだまだ現役。

恐らくイギリス植民地時代の車をベースにした消防車。タンクを後ろに積んだだけの簡素な消防車だが、地方ではまだまだ現役。

隣の消防車と同じ車体でかなり古い。20年前のヤンゴンで走っていたバスだが、残念ながら姿を消してもう見ることはない。

1960年代に日本で走っていたマツダB360。太平洋戦争後の戦後賠償で日本が技術提供し、昔はミャンマーで車と言えばこれだった。今はもう走っていない。

列車には詳しくないのでわからないが、かなり古いと思われる列車。イギリス植民地時代に作られた鉄道網により、地方に鉄道文化がいきわたっている。

長い間、ビルマ式社会主義を行っていたため、ミャンマーの物不足は深刻だった。これはバスの車体を改造し、列車用の車両に作り変えている、非常に面白い車だ。


ミャンマーの暑さに参っていたイギリス人が植民地時代に避暑地として開発したピンウーリン。その時の名残か。この街には馬車が走っている。

インドとの国境があるタムでは、ミャンマーで唯一インド製三輪車が走っている。

トラクターはミャンマーでは農耕器具であるとともにバスの役割も果たしている。子供も遊びながら運転を覚える。

自転車を改造したリキシャーやバイクに荷台を付けた車など、さまざまな車種が庶民の足として活躍している。

自転車にサイドカーを付けたリキシャーは、かなり古くからミャンマーで利用されてきた庶民の足。民族衣装を着た子供が乗っていた。

バナナを市場に運ぶ夫婦。ミャンマーでは荷物をいっぱい持っているとバイクの後ろに胡坐をかいて座る。

壺を売りに運んでいる親子。まだまだ貧しいミャンマーでは、子供たちも労働力として使われる。


道路がまだ十分に整備されていないミャンマーでは、エーヤワディー川は貴重な輸送経路。船で運ばれている巨大トラックは中国製で、ダム建設に使われている。

エーヤワディー川のデルタ地帯を走っていたら、香港のスターフェリーような船を発見。イギリスが植民地時代に製造した船だから、形が似ている。

地域特産の大きな豆を市場に運ぶバイクが行き来する。あまりに巨大すぎる豆にビックリ!
ベトナム編
経済成長著しいベトナムでは、急速に国内が変わりつつある。私が好きなメコンデルタでも、大きな橋がいくつもかかり、フェリーが姿を消しつつある。そんな昔の姿を中心に並べてみました。

メコン川の最大支流ハウ川で、メコンデルタの最大都市カントー市とヴィンロン省を結ぶフェリー。2010年にカントー橋が完成したためフェリーは廃止となってしまった。

こちらはカントーの市場裏に流れるカントー川を行き来する船。メコンデルタ最大の市場に買い物に訪れる買い物客でいつもにぎわっている。

ホーチミンから南下し、メコンデルタの入り口の街ミトーに到着すると、まずこのフェリーで川を渡った。2009年にミトーとベンチェを結ぶラックミエウ橋が完成し、フェリーは廃止。

メコンデルタのドンタップ省の省都カオランにあるフェリー。かなり大型の船だ。

メコン川の上流でカンボジア国境に面しているチャウドックのフェリー。

メコン川の支流ティエンジャン(前江)を渡る拠点となるヴィンロンで見かけた小さなフェリー。

かつて大きな水上マーケットがあったフン・ヒエップに向かう、商品を運ぶ船。水上マーケットが移転して、船の行き来はめっきり減った。

ベトナム最大都市ホーチミンに流れるサイゴン川で、通勤通学に向かう人々が使っていた小型のフェリー。かなり古いが、独特の形をしている。

サイゴン川を行き来する船にガソリンを供給する船。川に浮かぶガソリンスタンドだ。

ベトナムの船には目玉が描かれている。サイゴン港で並んでいると、なかなかかわいらしい。

サイゴン川に夜、電飾でサメの顔が描かれる船は、観光客用のレストラン。こちらもかわいらしい。

サイゴン川を行き来する最近のフェリーはこんな形でちょっと大きめ。この型はバイクが運べる。

カンボジア国境のチャウドックで見かけた簡素なリキシャー。後ろの座席を自転車の座席に簡単に取り付けられる。通学に使われていたが、これではあまり多くを乗せられそうもない。

ベトナムでは一般的な乗り物シクロ。アジアでは自転車を改造したリキシャーが各国さまざまな形で使われているが、これは前に人力車の座席を付けたもの。


ロンスエンで見かけた古いシトロエン。恐らくフランス植民地時代から使われているのではなかろうか。

かわいらしい顔のトラックもかなりな年代物。ドイモイ政策前の社会主義時代に作られたものではなかろうか?

ホーチミンで見かけた三輪車も古そう。市場に向かう買い物客に使われていた。
ラオス編
海に面していないラオスはアセアンの中でも特に大きな産業がない遅れた国だった。こういう国には珍しい乗り物がありそう。

ビエンチャンで見かけたリキシャーは、他の国のリキシャーよりもシンプルで、しかもかなり古そう。

車には詳しくないのでよくわからないが、フォルクスワーゲンのエンブレムが入った車体はかなり独特。

こちらもビエンチャンの郊外で見かけた古そうな車。なんか1960年代の日本で見たトヨタに似てなくもないが?

メコン川の上流でゴールデントライアングルに近い増え才の市場で見かけたモトサイ。

今度は反対側で、メコン川下流のラオス南部の中心都市ぱくせー市内で見かけたモトサイ。ちなみにモトサイはモーターサイクルの略語。多少形は違うようだが、だいたい作りは似ているようだ。

こちらは同じくパクセー市内を走る三輪車。これはメコン川をはさんだ対岸のタイを代表する乗り物トゥクトゥク。ラオスはタイの経済圏なので、乗り物もタイから入っているようだ。

風光明媚で最近は欧米のバックパッカーでにぎわうバンビエンの耕運機の荷台を付けた車は地元のバス代わり。

こちらは世界遺産ルアンパバーン郊外にある小さな村で見かけた耕運機。やはり荷台に子供が乗っている。

パクセーで見た古いトラック。車体にはロシア語っぽい文字が書かれているが?

パクセーから南に下り、世界遺産のワット・プー遺跡に渡るメコン川のフェリーは小舟をつなげた変わった形だが、車も2台乗せられる。

世界遺産の古都ルアンパバーンのメコン川を行き来する地元の船。この地域の中心の街ルアンパバーンに人や物が船で集まってくる。

かなり手作り感いっぱいのリヤカー

自転車の前側に荷台を付けた面白い形の屋台。

とてもシンプルすぎる屋台。たぶん自転車に取り付けもできるのでは。
カンボジア編
1993年に国連主導で政府が樹立したカンボジアだが、長年の内戦で当時の道路はとても走れたもんではなかった。それが今では幹線道路が整備され、場所によっては日本よりも走りやすくなってきている。それに伴い、訪れるたびに乗り物も急速に新しくなっているのに驚くばかりだ。


ベトナムと同じで、自転車の前に座席を取り付けた庶民の足。市場への買い出しや学校への通学など幅広く活躍している。

コンポントムですれ違たバイクバス。いったい何人乗っているのか。しかしこれだけの人数乗せてよく走りますね!

運転席にはすでに人がいっぱい乗っており、荷物を満載した車に括りつけられたバイクの上に乗って移動。カンボジアではこんな芸当も。

バイクに付けられた荷台を列車のように走らせ行商をしている人がいた。カンボジアでは列車の本数が少ないため、このようなことができる。

バイクに5人が乗り、学校に通学。カンボジアでは通学に子供たちがバイクを使っているのをよく見かける。お姉さんはみんなを乗せて運転。

プノンペンではよく乗り物が入れ替わる。20年前は自転車のリキシャーがあった。

最近のプノンペンではバイクの後ろに荷台を付けたタイプが出てきた。地元ではトゥクトゥと呼んでいるが、タイの物とは違う。

タイとベトナムに挟まれたカンボジアでは、荷台を前に付けるタイプと後ろに付けるタイプが混在するようだ。

タイ国境にある街コッコンに向かう道に何本かの川がある。すでに橋が架かったのでフェリーはなくなってしまったが。

フェリーといっても見ての通り簡素な作り。板の上に簡単な運転席を取り付けただけで、ベトナムのフェリーとは違う。

舟を運ぶのも一苦労。しかし子供たちは明るく応えてくれる。

カンボジアの耕運機。しかしなんでこんなにハンドルが長いんだろう?

バイクに付けた荷台に物を満載した物売り

地方に行くと牛は農耕にとって欠かせない存在だ。

早朝、メコン川をさかのぼると、いかだで木材を運ぶ簡素な船とすれ違った。

メコン川を行く乗り合い船。先端がほとんど垂直なのが特徴的。

メコン川で漁を行う漁師たちはこのような小さな小舟で行き来する。
インドネシア編

首都ジャカルタで見かけた年代物の三輪車

同じくジャカルタの三輪車

飾りをつけて走るジャカルタの馬車
香港編

香港を代表する乗り物といえばこのスターフェリー。

ビクトリアハーバーにはいろんな船が行き来する。

香港で昔から水上の足として活躍するサンパン船。

これも香港を代表するトラム。貸し切り用のしゃれたトラムも時折見かける。

香港の郊外で見かけた日本のタクシーだが、見ての通り、つぎはぎ。
インド編

インドでは人力車がまだあるので、正確に言えば自転車はサイクルリキシャーとなる。

リキシャーは人だけではなく荷物もこのように運ぶ。

インドを代表する黄色と黒の乗り物の三輪車テンポ。庶民の足としてインド全土で活躍している。

三輪車の代名詞であるテンポとは形が違う。

昔のインドの公用車はアンバサダー。街中に走っていた。

コルカタで見かけた珍しい三輪車。かなり古そうで、独特の形をしている。

インドではこんなに多い荷物運びも、まだまだ人力に頼ることが多い。

アジアでは人力車はほとんど姿を消してしまったが、コルカタではまだ走っている。貴重な光景だ。


コルカタではイギリス植民地時代の路面電車がまだ使われている。1902年に電化されたというから当時としては画期的な乗り物だった。

コルカタで見かけたトラックに取り付けられたバスの車体。しかしどうしてトラックに付けられているのかわからない?
タイ編

「東洋のベニス」といわれたバンコクだが、運河の水は汚れくさい。しかしある運河で煙を出した小舟を見かけた。焼き鳥のにおいがたまらない。

大都会になったバンコクだが、運河に渡されたロープの間を渡し船が行き来する。そんな昔ながらの風景が残されている。

大渋滞が慢性的になっているバンコクで、運河を利用したフェリーが庶民の足として活躍中。


その他の国

ブータンのトラックにはライトの上に目玉が描かれている。これは仏教の影響。

首都イスラマバードで見かけたバスだが、かなりおんぼろ。








