ロイコー、昼は首長族、夜は幻想的なパレード

観光地ではないロイコーでどう過ごそうか迷って、ホテルのスタッフに相談してみると、首長族の村があるので行ってみればと言われた。20年ほど前にヤンゴンでイベントに呼ばれて来ていた首長族を見たことがあるが、首長族の村に行くのはものすごく大変だという話だった。また隣国タイのメーホーソンでも首長族が見られるが、そこはミャンマーから戦闘を逃れてきた難民キャンプだった。だからミャンマーで首長族が住んでいる村には行けないと思っていたのだが、それが観光で行けるようになっているのに驚いた。

首長族の村へ

きっとすごい遠い山の中なのだろうと思っていたが、ロイコーから45分ほどで着いてしまった。途中の道もそれほど険しいわけではなく、山肌に作られたきれいな段々畑を見ながら楽しめた。

村に着くと、いきなり首長族がいた。首長族が住んでいる村に来たのだから当たり前なのだが、タイのメーホーソンでは入り口に土産物屋が並んでいたりして、観光地の雰囲気があった。しかしここは何の変哲もない普通の村だった。もし何も知らないでこの村に来て、いきなり首に金色の輪を付けた女性と会ったらびっくりしただろう。

出会った首長族の方がちょうど昼ご飯を作っているというので、首長族の食事とはどんなものか見せてもらうことにした。

山岳少数民族の食事はどこも質素で、肉は特別な行事がないと食べられないのが普通。普段は野菜のみだが、この家でも庭に生えていた瓜を切って、豆と合わせて煮ていた。

時々わきにある壺から何かを飲みながら料理をしているが、これはどぶろくだそうだ。我々のコーヒーをちょっと飲む程度の感覚みたいだ。

料理をし始めると、ネコちゃんもおとなしく囲炉裏のわきでじっと出来上がりを待っている。いつもそうしているのか、出来上がったら何かもらえると思っているのだろう。出来上がったスープを味見させてもらったが、塩味の素朴なスープだった。

昼食後、村を見学して歩く。村の入り口には、木の幹に何かの飾り物がしてあるが、これは村人が信仰しているアニミズム(精霊信仰)だ。首長族の正式な民族名はパダウン族という。選ばれた女性だけが金色の真鍮の輪を首に巻けるといい、男性は付けない。真鍮の輪はかなり重いが、それで実際に首が長くなるのではなく、顎が上を向き鎖骨が下がり、首が長くなったように見えるのだという。

タイのメーホーソンで聞いた話では、最近は首長族は好きで金の輪を付けているわけでなく、観光客目当てに仕方なしに首に巻いているということだった。しかしこの村に来てみると、子供たちも首に小さな輪を巻いている。これは観光客目当てでなく、民族の風習として残っているということだろう。美人が首長にするという話もあるが、将来の首長美人(今でも十分かわいいが…)

首長の女性は特別な存在でなく、他の家庭と同じようだ。子供たちと普通に暮らしていて、子供たちも昔から母親が金の輪をしているので何とも思わないらしい。ただ寝る時も付けているというので、さぞかし寝苦しいだろう。

金の輪は選ばれた女性しか付けられないそうで、村の女の子でも付けていない子の方が多い。ではなぜ付けるのか、という疑問だが、昔、虎が女性の首にかみついたという虎伝説などもあるようだが、実はよくわかっていないらしい。金の輪を付けられる女性は生まれた日の月、あるいは曜日が関係するとかだったが、説明を聞いてもよくわからなかった。

帰り際、子牛を運んでいる夫婦とすれ違った。おそらく生まれたばかりの子牛が死んでしまったのだろう。途上国では牛はもちろん家畜なのだが、一方で家族という感覚もあると聞く。きっと悲しいのだろう。

幻想的な美女パレード

ロイコーに戻ってみると、なぜか着飾った女性たちが街を歩いている。どこに行くのかと付いていくと、ある家に集まってお化粧をし始めた。

今夜、雨季明けを祝うお祭りでパレードが行なわれるという。化粧をしていたのは、このパレードの参加する選抜された美人だとか。これは見逃せない。そして待ちに待った夜。美人たちが勢ぞろいして歩き始める。なかなか幻想的な光景だ。

パレードは、市内で一番有名な寺院タングエパヤーのふもとまで行われる。ゆっくりと歩きながらで1時間以上。寺院に到着するとお寺の高僧が出てきて何やら説法を始める。言葉が分からないが、皆さん、手を合わせて熱心に聞いている。

説法が終わると、参加していた人々は外に出て、境内の広場に集まった。広場の中央では、タウンジーで行われた熱気球を上げるセレモニーがここでも行われた。写真の手前の囲われた場所は、カヤー州の州知事夫妻が座っている特別席。

3つの熱気球が無事上げられると、一連の行事が終了した。すでに午後11時すぎ。熱帯のミャンマーと言っても、この時期は夜になるとかなり寒くなる。

帰り際、山の頂上にあるタングエパヤーを見上げると、満月と重なり幻想的な風景となっていた。

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